いにしえの傍聴記録:首都圏連続不審死事件09 木嶋佳苗 彼女を直接知る人たちの証言 | 高橋ユキの事件簿 #92
夫婦ともどもコロナ陽性になり、ご迷惑ご心配おかけしています。私も熱が下がり、少しずつ元気になってきました。
2012年にさいたま地裁で傍聴した、木嶋佳苗の一審公判。同年刊行『木嶋佳苗 危険な愛の奥義』(徳間書店)ほかの執筆のためにまとめた公判データになります。きょうは私の友人から聞き取った話を少し入れます。
いにしえの傍聴記録
2012年傍聴 さいたま地裁 首都圏連続不審死事件公判 09
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過去の記事
今回は彼女のことを直接知っている家族の調書の部分に加えて、私の友人から当時聞き取った話を……。
【2012年1月11日 第2回公判 木嶋佳苗の家族の調書】
被告人名:木嶋佳苗
罪名:詐欺、詐欺未遂、窃盗、殺人
交際していた男性を練炭自殺に見せかけて次々に殺害したという3件の殺人罪、婚活サイトで出会った男性から金銭をだまし取った、またはその未遂として6件の詐欺・詐欺未遂罪、詐欺被害者の男性の財布から5万円を抜き取ったという1件の窃盗罪で起訴されている。
被告人は全ての殺人について否認しており犯人ではないと主張していた。
今日は公判で出た、家族の調書を紹介します。否認事件なので、弁護側が認めた部分がごく一部なのだと思われます。とても断片的ですが、母親ときょうだいとは、仲が悪くはなさそうでした。
【被告人の妹の調書】
「わたしはすぐ下の妹です。姉のことは、かなちゃんと呼んでいます」
取調べ時の質問『平成21年7月、かなちゃんに男性の写真を見たいと言ったか?』
「私はSYさん以外の男性と交際していると聞いた事がなく、見たいと言うはずがありません。
(大出さんのマッチドットコムプロフを見せられ)この男性は一度も見た事がありません」
取調べ時の質問『平成21年7月下旬~8月上旬、かなちゃんからカレシを、X(もうひとりの妹)や母親と引き合わせると聞いた事がありますか?』
「聞いた事はありません。真面目な交際をしている男性を紹介とかは聞いた事がありません」
取調べ時の質問『7月23日頃、あなたと、かなちゃんの間で、8月5日に男性を紹介してもらうという話や食事会という話はしましたか?』
「結婚前提のカレシがいると聞いた事がないので、8月5日にそんな話をするはずはないし、実際なかった。
(被告人のメールを妹に見せる。これは妹を装い、被告人が自分のケータイから自分にメールしたというもの)
そして質問『平成21年7月23日、今のメールを送った事はないですか?』
「このようなメールを作った事も送った事もありません。かなちゃんが私のフリをして、何らかの目的で作った物だと思います」
【被告人の弟の調書】
「姉のことは佳苗お姉ちゃんと呼んでいます。私はYYに住みサーバーエンジニアの仕事をしています。
これまで佳苗お姉ちゃんの彼氏については、ZZと、名前は知らないが福島に一緒に行っている、釣りが好きな人(注:SYのこと)、2人以外、彼氏の名前を聞いた事がないですし、紹介された事もありません。
(9月4日以降の話)下の妹から、警察の取り調べのことを聞きました。殺人容疑も聞きました。何をしたのか心配になりました。14日には家族で池袋に集まり、そのとき、調べられている件を話しましたが、私は途中で別れたので分かりません。ここで料理教室をすると言っていました」