いにしえの傍聴記録:首都圏連続不審死事件30 不特定多数の男性からの振込「覚えていない」 | 高橋ユキの事件簿 #158
こんにちは。夏はすこし苦手です。。。
いにしえの傍聴記録
2012年傍聴 さいたま地裁 首都圏連続不審死事件公判 30
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過去の記事
検察側3日目です。
【2012年3月1日 第30回公判 検察側からの被告人質問3日目】
被告人名:木嶋佳苗
罪名:詐欺、詐欺未遂、窃盗、殺人
交際していた男性を練炭自殺に見せかけて次々に殺害したという3件の殺人罪、婚活サイトで出会った男性から金銭をだまし取った、またはその未遂として6件の詐欺・詐欺未遂罪、詐欺被害者の男性の財布から5万円を抜き取ったという1件の窃盗罪で起訴されている。
被告人は全ての殺人について否認しており犯人ではないと主張していた。
Kさん+Mさん=詐欺の被害者
SSさん+KZさん=詐欺未遂の被害者
SYさん=彼氏
この日は安藤さん事件について。被告人の怪しい行動をとことん追求。弁護側被告人質問では可愛らしい声で答えていた被告人だったが、この日は時折ドスのきいたような声で答えていた。
○被告人の服装:グレーのカーディガン、バーバリーチェックのカットソー。チノパン。
Mさんに嘘をつき、安藤さん宅の絵画を買い取ってもらおうとしていたことについて。被告人は安藤さんからもらったというが、当時Mさんへは『息子さんにもらった』と嘘をついていた。検察官は、安藤さん宅から盗んだのではないかと問いつめる
ーなぜ、安藤さんの息子さんからもらったと嘘をついたんですか?
「その方が話が伝わりやすいと考えたからです。Mさんとお話ししていた内容から、当時、そのような話をした方がいいのだろうと」
ー安藤さんから盗んだとは言えないからでしょう?
「そういうことではありません」
ー本当に?安藤さんにもらったのなら、嘘をつく必要はないのではないですか?
「もらったものを買い取ってもらうのに抵抗がありました。安藤さんは私に持っててほしいとおっしゃっていたので、売る事に抵抗ありました」
ーMさんは結婚相手候補のひとりでしかないんですよね?結婚しなかったら、手元に戻ってこない可能性があるんではないですか?
「そういう可能性もあると思いました」
ーもらった事にして嘘をついたのではないですか?
「違います」
ー安藤さんの息子さんは、あなたに絵画を送った事はないと言っていましたね?
「はい」
ー安藤さんの息子さんの話に合わせる事にして、安藤さん本人からもらった事にしようと思ったんですか?
「そういうことは考えた事がありません」
ー本人からもらったということですか?
「はい」
ー盗んだのではないですか?
「違います」
ー安藤さんが『絵を盗まれた』と相談してきた、と安藤さんの息子さんや保健師さんが証言していました。安藤さんは絵を盗まれたからそう言っていたんでは?
「違います」
ー保健師さんは『お母さんの絵画もあった』『お母さんの絵と、Mさんに売りつけようとしていた絵は同じ』と証言していますね?
「記録を見て分かりました」
ーあなたは盗んだ絵をMさんに売りつけようとした、そういう事なんじゃないですか?
「違います」
ー死人に口無しだからそういうことを言っているんですか?
「そういうことはありません」
ーMさんに絵を売りつけようとした。MさんだけじゃなくKさん、寺田さんとも同時並行して、まず、Mさんに買取話をしたのはなぜですか?
「Mさんにしかその話をしていなかったからです」
ーKさんは警戒心が強そうだし、寺田さんからも150万円取っている。Mさんからは80万取っただけだし、騙しやすそうだと、そういうことなんじゃないですか?
「そういうことじゃありません、寺田さんに絵を売りつけた事はありません」
平成20年12月26日のことについて。被告人が安藤さんのクレジットカードで7万を使用。検察側はこれを無断使用したと主張している
「無断で使った事はありません」
ーそうだとするとやましい思いはないんですよね?