いにしえの傍聴記録：首都圏連続不審死事件32 | 高橋ユキの事件簿 #164

こんにちは〜。今週は雷や雨がすごかったですね。

前回のニュースレターで私の困りごとに、たくさんの方からコメントをいただきました。本当にありがとうございます……！ものすごく参考になりました。裁判所にならずに済みそうです。いま当日に向けて行程をあれこれ考え中です。感謝です。。。いただいたコメントは私が返信すると公開されてしまうのですが、お名前出たりするとアレかな、と思う方からのものは、返信しないままにしています。

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過去の記事

検察側3日目です。

【2012年3月1日　第30回公判　検察側からの被告人質問3日目】

被告人名：木嶋佳苗

罪名：詐欺、詐欺未遂、窃盗、殺人

　交際していた男性を練炭自殺に見せかけて次々に殺害したという3件の殺人罪、婚活サイトで出会った男性から金銭をだまし取った、またはその未遂として6件の詐欺・詐欺未遂罪、詐欺被害者の男性の財布から5万円を抜き取ったという1件の窃盗罪で起訴されている。

　被告人は全ての殺人について否認しており犯人ではないと主張していた。

Kさん＋Mさん＝詐欺の被害者
SSさん＋KZさん＝詐欺未遂の被害者
SYさん＝彼氏

　この日は安藤さん事件について。被告人の怪しい行動をとことん追求。弁護側被告人質問では可愛らしい声で答えていた被告人だったが、この日は時折ドスのきいたような声で答えていた。

○被告人の服装：グレーのカーディガン、バーバリーチェックのカットソー。チノパン。

安藤さんのカードで買い物したあとの平成21年1月下旬から2月上旬にかけ、被告人は安藤さんに『少しなら助けられる』と“逆援助”を申し出ている

ーそう考えた理由は？

「12月末に、買い物をした事で請求額が予想より増えたので、私が支払うべきだと思いました」

ーだってあなたは、安藤さんが買ったんでしょ、と嘘をついたんでしょ？

「その後、経緯を説明しているから……（聞こえなくなる）」

ー実は自分の買った物だ、といったんですか？

「具体的にどの言葉で言ったかは分かりませんがぁ～」

ーそれを正直に話したメールが残っていないのはなぜですか？

「分かりません」

ー1月29日のメール。『来月5日のカードの支払いが大変だと聞いています。数万でよければ力になれればと思います』『数万で足りなければ早めに息子さんに相談』……どこにも〝私が使った〟とはありませんが？

「かなり前に私がお買い物をしたことを伝えていたからです」

ーいや、私が聞きたいのは、その前の安藤さんのメールで3回も、何に使っていたか聞かれていましたよね。それについて嘘でごまかした。なぜ自分で買い物をしたと言ってないんですか？

「分かりません。この時は私の買い物だけではありませんでした。3万円送金したと思います」

ーあなたが使った額は7万でありながら、3万円しか送金せず、足りない分は息子さんに相談しろ、と？

「はい。差額は安藤さんがプレゼントとして…（聞き取れなくなる）」

ー2月3日、あなたは安藤さんに送金していますね。そのときの安藤さんのメール、覚えていますか？

「『ありがとう』と」

ーなぜ安藤さんはありがとうと言うんですか？

「引き落としが出来たからだと思います」

ーいやいや、あなたは弁償したんでしょ？

「（聞き取れず）」

ーじゃあ安藤さんからすれば、返してもらうだけですよね？

「はい。安藤さんはもとから私にプレゼントするという名目でカードを渡して下さっていたので、返すという方がおかしいです」

ー2月3日、安藤さんからあなたへのメール。『助かったよ』『3万出した後大丈夫？もし生活費が苦しいようなら言って下さいね』お金を返してもらった人の文面に見えますか？

「返したという訳ではないからです」

ー純粋に、クレジットカードの返済費用があなたのせいで膨らんだと安藤さんは分かってるんですか？

「分かっています」

ーじゃあなぜ、こんなに感謝されるんですか？

「安藤さんが男らしいからです」

この時期、寺田さんから通帳に1127万円入金してもらっている。そして461万円のベンツを買い、ル・コルドン・ブルーの授業料のほか、家賃を10ヶ月分支払っている。なのに安藤さんへは3万円しか送金していない……

ーもう少し、出そうとは思わなかったんですか？