いにしえの傍聴記録:首都圏連続不審死事件15 木嶋佳苗 殺人の被害者・寺田さんと交際しながら… | 高橋ユキの事件簿 #109
2012年にさいたま地裁で傍聴した、木嶋佳苗の一審公判。同年刊行『木嶋佳苗 危険な愛の奥義』(徳間書店)ほかの執筆のためにまとめた公判データになります。被告人質問の2日目、弁護人から。
いにしえの傍聴記録
2012年傍聴 さいたま地裁 首都圏連続不審死事件公判 15
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過去の記事
いまは弁護側からの被告人質問を配信してます。アルファベットが多いのですがSYとは逮捕まで付き合っていた男性のことです。
【2012年2月20日 第24回公判 弁護側からの被告人質問】
被告人名:木嶋佳苗
罪名:詐欺、詐欺未遂、窃盗、殺人
交際していた男性を練炭自殺に見せかけて次々に殺害したという3件の殺人罪、婚活サイトで出会った男性から金銭をだまし取った、またはその未遂として6件の詐欺・詐欺未遂罪、詐欺被害者の男性の財布から5万円を抜き取ったという1件の窃盗罪で起訴されている。
被告人は全ての殺人について否認しており犯人ではないと主張していた。
【弁護人からの被告人質問 2日目】
今回は、1人目の殺人の被害者・寺田さんとの交際状況や「支援」の状況。そして同時期に「マッチ・ドットコム」にて他の男性にもコンタクトを取り、複数男性とやりとりしていたことなどが語られた。寺田さんとの肉体関係についても。
6月4日に初めて出会った1人目の殺人の被害者・寺田さんとの交際
《ふたりは6月21日〜22日、秩父に一泊旅行に行っている》
「結婚を前提にお付き合いをするのでしたら、肉体関係の相性もあると思いました。長い時間過ごしたこともまだありませんでしたので一緒に旅行に行きたいと私のから提案しました。寺田さんが、楽天トラベルで秩父の温泉ホテルを探してくださいました」
ー秩父に旅行に行こうという話になった時点で寺田さんと肉体関係を持ったことは?
「はい、全くありません」
ー一緒の部屋に泊まりましたが、寺田さんと肉体関係を持ちましたか?
「いいえ、ありませんでした。……畳の部屋にシングルの布団が2枚敷かれていたのですが、布団に入って私が電気を消しても、寺田さんは何もしてこなかったのでそのまま朝を迎えました」
ーあなたは寺田さんとセックスをすることになっても構わないと思っていたのですか?
「そういう期待をして、行きました」
ー翌朝そのあたりのことについて話をしたことは?
「はい。あります。朝チェックアウトをする前、荷物をバッグに入れている時に、寺田さんのリュックから、バスタオルが何枚かと、潤滑ゼリーのチューブが見えたので、それは何ですかと尋ねました。そういうこともあるかと思って準備してきたと言っていました」
ー潤滑ゼリーとタオルはどう関係するんですか?
「どのように使うのかと尋ねたところ、潤滑ゼリーで布団を汚してはいけないと思い、タオルを敷くために持ってきたということでした。ゼリーの方は長年自慰のしすぎで勃起しにくいので、ゼリーを使って滑り込ませるようにしないと性交渉ができないと言われました」
ーそれ以外に印象に残っている事は?
「せっかく旅行に行っているのに食事中も相変わらず、寺田さんから話して下さることはなかった。一緒にお散歩した時唐突に『佳苗さんのことを愛しています』っておっしゃったので、その時点で肉体関係がないのに、まだ話もあまりしていないので、びっくりしました」
ーその時点で、寺田さんとの交際は終わりにするという事には?
「それは思いませんでした。潤滑ゼリーの話は聞きましたけど、まだ手を繋いだことも、キスしたこともありませんでした。これからお付合いを続けていけば、何か進展があるかもしれないと思いました」