いにしえの傍聴記録:首都圏連続不審死事件13 木嶋佳苗 多額の支援をしてきたFさんは徐々に体を崩し… | 高橋ユキの事件簿 #103

いにしえの傍聴記録(木嶋佳苗 さいたま地裁 13)
高橋ユキ 2022.03.13
読者限定

 こんにちは〜

 2012年にさいたま地裁で傍聴した、木嶋佳苗の一審公判。同年刊行『木嶋佳苗 危険な愛の奥義』(徳間書店)ほかの執筆のためにまとめた公判データになります。被告人質問の1日目、弁護人から。今日の配信は無料読者さんにもお送りしています。いきなりメッチャ長くて迷惑メール

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いにしえの傍聴記録

2012年傍聴 さいたま地裁 首都圏連続不審死事件公判 13

※無断転載は厳禁です 参考にされたい方は個別に連絡ください
※無断転載防止の観点から一部情報を伏せたり割愛している箇所があります

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過去の記事

いまは弁護側からの被告人質問を配信してます。アルファベットが多いのですがSYとは逮捕まで付き合っていた男性のことです。

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【2012年2月17日 第23回公判 弁護側からの被告人質問】

被告人名:木嶋佳苗

罪名:詐欺、詐欺未遂、窃盗、殺人

 交際していた男性を練炭自殺に見せかけて次々に殺害したという3件の殺人罪、婚活サイトで出会った男性から金銭をだまし取った、またはその未遂として6件の詐欺・詐欺未遂罪、詐欺被害者の男性の財布から5万円を抜き取ったという1件の窃盗罪で起訴されている。

 被告人は全ての殺人について否認しており犯人ではないと主張していた。

***

【被告人質問 弁護人から】

「合コンで知り合った」という本命彼氏・SYとの交際

《SYさんとの交際について。渋谷の合コンで知り合う。被告人23歳、SY34歳の頃だった。この日、SYの方から声をかけてきた。被告人は吉川桜と名乗っていた。この合コンがインターネットで知り合った人たちのものだったからだという。話のあった2人、この日SYから車で送ってもらい、ケータイ番号を交換した》

ーその日はそれでSYさんと別れたんですね。その後連絡はありましたか?

「はい、1週間以内でした」

ーどういう話になりました?

「今度2人きりで会いたいね、という話をされました。ドライブしようと誘われて〜、まぁ、約束したのは、晩ご飯をごちそうしてくれるという事で会いました」

ーで、SYさんのクルマでドライブに出かけたんですね。

「はい」

ー目的を持って出かけた?

「いえ、特にどこということもなく、都内をぐるぐると走っていたような感じです。その後、食事をしました。その後また少し車に乗って走って、ん〜、渋谷のホテルに行きました」

ーホテルに行ってセックスをしたわけですかね。SYさんは何か言っていましたか?

「ん〜、はい。こんなに相性がいい女性は初めてだよ、とか……。ん〜自分は淡泊な方なんだけど……こんなにセックスがいいと思ったのは初めてだったと、感動した様子でした」

ーあなたは?

「私も男性経験はありましたけど、SYさんほどよいと感じた事は一度もなかったので、私も同じように感動しているとお話ししました」

(知り合った当初は月に1度以上は必ず会っていた。必ずラブホテルに行っていたという。食事をしないでホテルに行く事もあった)

「私がドライブがあまり好きじゃなく、会ってすぐホテルに行くことにあまり抵抗がなかったので」

ーホテル代はどちらが?

「最初の何回かはSYさんが払ってくれていました」

ーあなたが負担することもありましたね。

「そういうこともありました」

ーあなたからホテル代を払う事になった理由はありますか?

「はい。えと〜、しばらく、1〜2週間連絡がなくて、会いたいと電話をしたところ、お金がないんだということを言っていて、ホテル代を出すのが大変だという話だったので、ホテル代ぐらいだったら私が出してもいいわよ、ということになって、私がホテル代を出しました」

ー別の日にも電話がかかってきた事がありましたね。あなたの方から会いたいと言って、ホテル代ぐらいなら出してもいいと、そのときも言いましたね。そのときSYさんはどんなことを?

「ん〜、お金を出してくれるんだったら会ってもいいよ、というような、ちょっと高飛車な感じで言ってきました」

ーどういうような?

「ホテル代の事だと思ってそういったんですけど、SYさんは、オレは仕事も忙しいし、趣味もあってお金がかかるし、オレはモテるから、オレは高いんだぞ、ということを言いました」

ーどう理解しました?

「戸惑って何を言っているかよく分からなかったんですけど話をしているうちに、セックスの対価としてお金を求めてるんだということが分かりました」

ーどう思いました?

「かなり驚いて、失望して……会うという話は、日にちや時間を決める事が出来ずに電話を切りました」

(その後SYから連絡があった。いつもは月に1〜2回連絡していたのに、数ヶ月おいてから電話がきて、会いたいと言われた。前回のようなことはなく、その話がなかったかのように、仕事が一段落ついたからゆっくり晩ご飯でも食べようというような誘いだったという)

「ん〜、私はとても会いたかったので、実際に会う約束をしました」

ーまたホテルに行ったんですか?

「そのときは食事をしてからホテルへ行きました」

ーそのあともSYさんとは何度も会ってるんですよね。知り合って最初の頃はホテルで会う事が多くてしばらくしてからどうなりました?

「お金の話が出てホテルに行った次からは、経済的に大変だということが分かったので、ホテル代の節約というか、お金をだしたくなかったので、私の家で会うようになりました」

ーSYさんは2人の関係についてなんと?

「SYさんの言葉では、『セフレ』と言ってましたけど、セックスフレンドということだと思います」

ーあなたは?

「その通りだと思いました」

ーセックス目的で会っていたと?

「それ以外の目的で会った事がなかったので」

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