いにしえの傍聴記録 尼崎事件14『次郎、絶対許さん。ただで済むと思うな』 | 高橋ユキの事件簿 #232

こんにちは〜

最近ちょっと慌ただしく、メール等放置していて申し訳ないです。少しだけお返事お待ちください……

書いてみて痛感していますが、尼崎事件は、かなり壮絶なのと、また被害者にとっては不名誉になるような情報も含んでいるため、たぶんネットニュースなどに細かく書くと、誤解を生みそうな内容だなと……。多くの人の目に触れない、またじっくりと読んでくださる方にお届けできる、ニュースレターの有料版として配信する形にしておいて本当によかったと思っています。

※無断転載は厳禁です　参考にされたい方は個別に連絡ください
※無断転載防止の観点から一部情報を伏せたり割愛している箇所があります

東こと鄭頼太郎・角田健太郎・角田三枝子公判　概要

複数の家族を取り込み、追い込み、最後は互いに暴力を振るうように仕向け、何人もを死なせたという尼崎事件。全ての首謀者として逮捕された角田美代子は警察署で自殺しましたが、彼女が周囲のいろんな人を徐々に自分の「ファミリー」に取り込んでいって、意のままに操り、ファミリーのなかで用無しと判断された人などを仲間に殺させたりして、その遺体をどこかに遺棄したりする……みたいなことが長年、繰り返されてきました。

頼太郎とは何者か。美代子の内縁の夫です。

健太郎は美代子の戸籍上の長男。ですが生みの親は三枝子です。

三枝子は美代子の義理の妹。久芳さんの妻になります。

相変わらず色々入り組んでいます。

事件説明のニュースレターを貼っておきます。

直近のものも。

概要

被告人：東こと鄭頼太郎（65）、角田健太郎（28）、角田三枝子（62）　年齢は公判当時

万座毛で飛び降りさせた久芳さん事件、皆吉初代さん（茉莉子さんの母親）事件、茉莉子さん事件、前回の安藤みつゑさんのベランダ監禁、橋本次郎さん事件に関わっています。

この神戸新聞の図は詳細ですが、細かくみてもややこしいだけなので、ざっくり見てもらえれば……

傍聴したのは2015年7月。私が傍聴した2日間は、橋本次郎さん事件についての審理でした。そして、なんと前回まで書いていた仲島が証人で出てきて……こういうとき、わざわざ行ったのに、ちょっと損した感がすごいです。

橋本次郎さん事件とは

検察官冒頭陳述によると。。。

3人は橋本次郎さんについては逮捕監禁、殺人、死体遺棄で起訴されています。

「次郎さんによる少女へのわいせつ行為が判明したことで、怒った角田家は2日間、次郎さんを物置に監禁して暴行、緊縛、食事制限などの虐待を加えます。次郎さんは高カリウム血症により死亡。ドラム缶に遺体を入れ、コンクリートを流し込み、岡山の海に投棄しました。

次郎さんは尼崎が地元で、美代子とは家が近所で小学校の時から美代子や三枝子とは面識がありました。橋本家は角田での同居を強いられていましたが、次郎さんはたびたび逃亡を繰り返していました。そのたびに連れ戻され、平成21年ごろからはアービング（現場マンション）で暮らすようになります。ファミリーの中での立場は最も低く、子守や雑用を担当していました。

監禁や虐待の発生状況です。平成23年（2011年）7月下旬、大江家の長女（12）について、美代子はその家族から金を巻き上げることを計画しており、長女を取り込んでいました。この時期、長女が瑠衣に対し『次郎から胸を触られた』と言いました。頼太郎は次郎さんのわいせつ行為を知って頭を叩きました。

監禁の経緯です。同年7月25日未明、瑠衣が、大江家の長女Aさんから聞いた行為を美代子に報告。美代子は激怒して以下の行動を取りました。

深夜、角田家をリビングに招集。わいせつの発覚を告げます。美代子や頼太郎は次郎さんを追求しわいせつ行為を認めさせました。皆が次郎さんを非難し、美代子は『絶対に許さん。タダで済むと思うな。一緒に住まれへん。死ぬしかないな。助かると思うな』と言いました。健太郎も同席しており、話を聞いて腹を立て、美代子の意向に従うことにしました。次郎さんが物置に入れられることを認識しながら、入っておけという意味で下半身を蹴りました。美代子は李正則、仲島にベランダにある物置への次郎さんの連行と緊縛を指示します。物置は茉莉子さんが閉じ込められていたものとは別のもので、ラティスという木の枠のようなもので作ったものでした。緊縛は24キログラムのステンレス製の重りや手錠を使い、ロープで手足を縛るように指示しました。