いにしえの傍聴記録 尼崎事件19 虐待を免れるための虐待だったと主張するマサ | 高橋ユキの事件簿 #244
こんにちは〜
文庫本が出てから少し慌ただしい日々です。。。
いにしえの傍聴記録
2013〜2015年傍聴 神戸地裁 尼崎事件19
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※無断転載防止の観点から一部情報を伏せたり割愛している箇所があります
李正則 公判概要
複数の家族を取り込み、追い込み、最後は互いに暴力を振るうように仕向け、何人もを死なせたという尼崎事件。全ての首謀者として逮捕された角田美代子は警察署で自殺しましたが、彼女が周囲のいろんな人を徐々に自分の「ファミリー」に取り込んでいって、意のままに操り、ファミリーのなかで用無しと判断された人などを仲間に殺させたりして、その遺体をどこかに遺棄したりする……みたいなことが長年、繰り返されてきました。
李正則……通称「マサ」はよく「角田家の暴力装置」などと言われていますが、その詳しい暴力装置ぶりは、報道にあります。
事件説明のニュースレターを貼っておきます。
直近のものも。
被告人:李正則(41) 年齢は公判当時
前回までの3人の被告人と同じく、万座毛で飛び降りさせた久芳さん事件、皆吉初代さん(茉莉子さんの母親)事件、茉莉子さん事件、前回の安藤みつゑさんのベランダ監禁、橋本次郎さん事件に関わっています。
傍聴したのは……2015年9月。ただ、角田家の暴力装置とまで言われていた男なのに、なぜかわからないのですが、傍聴した全メンバーのなかで一番記憶に薄いです。否認していたからかもしれません。嘘くさい話をする被告人の印象はなぜか薄くなりがちです。
神戸新聞に概要は載っています。
〈罪状認否では、久芳さんに対する殺人について「久芳さんは(死亡保険金で)角田家を救うため自殺した」と自殺関与罪を主張。茉莉子さんや橋本さんへの殺人は「美代子(元被告)らと物置に閉じ込めたことは間違いないが、亡くなるとは思っていなかった」と監禁致死罪などにとどまるとした。皆吉さんへの傷害致死罪は、亡くなった原因とされる暴行を「一切振るっていない」として無罪を主張した。〉
判決報道もあります。
被告人は自分は被害者らが死ぬと思ってなかったというように殺人について否認していたのですが、全部認められていません。
そういう感じで、少し軽くなるように発言していたと見るのがいいかと思います。
弁護人からの被告人質問
前回の続きで、茉莉子さん事件の質問がひと段落したあとに、ファミリーの面々の力関係について、被告人に質問が及びました。どこまでが本当かがわかりませんが、紹介していきます。
ーあなたは2002年秋から美代子一家と生活を共にするようになりましたが、その当時、美代子以外に誰がいましたか?
「三枝子、頼太郎、健太郎、優太郎、安藤さん……久芳も出入りしていました」
ー他の人たちにどんな過去があるか知らされていましたか?
「いいえ」
ーあなたが美代子以外の人に過去を直接聞いたりすることはしましたか?
「してません」
ー家の中で会話はしないんですか?
「無理です。美代子が言い出さない以上、他の人が勝手に詮索することは許されない」